琵琶湖だけじゃない!西の湖サイクリングとラコリーナで癒しの休日
滋賀といえば琵琶湖ですが、実は西の湖(にしのこ)という琵琶湖の内湖も近江八幡にはあります。ビワイチほど本格的には走りたくない初心者にもトライしやすい、一周11㎞ほどのサイクリングコースです。
また人気スポット「ラコリーナ」や、ヴォーリズ建築へ混まずに行ける寄り道ルートもご紹介!湖畔ののどかな風景もスイーツも楽しみながら、ゆるっとサイクリングを楽しみましょう。
Index

琵琶湖の内湖(ないこ)、西の湖とは?
内湖という、聞きなれない言葉。
簡単にいうと、かつては琵琶湖の一部だった水域のことです。
今でも琵琶湖とは水路でつながっています。
琵琶湖周辺に点在する内湖の中で、西の湖は最大の内湖です。
まずは安土(あづち)駅北口からスタート
安土駅北口は安土城跡への入り口となっており、駅前では織田信長像が出迎えてくれますよ。
駅の1階には観光案内所がありますので、そこで地図など欲しい情報を入手しましょう。
(レンタサイクル店でも簡単な地図はもらえます)
観光案内所は月曜休みです。ご注意ください。
今回は、近江八幡観光物産協会発行のMAPを活用しました。近江八幡駅、安土駅周辺のサイクリングコースが案内されていて便利です。
それを参考にしつつ、一部順路を変更して1月に西の湖沿いを実際に走ってみました。ご参考になれば幸いです。
自転車をレンタルしましょう
観光案内所の正面に、レンタサイクル店が2軒ありますのでお好みで決めたらよいでしょう。各車種が揃っています。
走る距離は西の湖一周なら10数kmですし、もし安土城跡、または八幡堀方面へと足を延ばすとなるとそれぞれプラスkmずつとなります。私は電動自転車で走りましたが、やはり電動は楽でした!
いよいよ出発です!
※出発前のご注意※
西の湖沿いにはトイレはありませんので(寄り道するなら別ですが)、駅のトイレで済ませておきましょう。
サイクリングMAPを参考に、湖畔を時計回りに走ってみました。
ルートの前半は一部「びわ湖よし笛ロード」を走ります。(「びわ湖よし笛ロード」とは、旧能登川町(現東近江市)から近江八幡までの約26kmのサイクリングロードです)
よし笛ロードは、道路が赤褐色にペイントされているのでわかりやすいです。車は侵入できない道がしばらく続くので、車に気をつかう必要もなくペダルもすいすい…解放感に包まれながら走ることができます。
前半は、西の湖の南側を走ることになります。
背丈ほどもあるヨシが群生しているところも多く、大自然を思わせるダイナミックな風景がすごく気持ちいい!
私が走ったのは1月でしたが、3月頃にはヨシ焼きが行われて風景が一変します。
ヨシ焼きは、春の訪れを告げる水郷の風物詩といえるでしょう。
焼けた跡から新芽が出て、新しいヨシへと生まれ変わる大切な過程なのです。
そんな季節も含めてお楽しみいただけたらと思います。
さて、東方面を見ると安土山が見えます。
織田信長の居城だった安土城は、かつてあの頂上にありました。派手好きで知られる信長らしく、天主(安土城の天守のこと)はきらびやかで豪華絢爛だったそうです。日の光を受けてきっときらきらと輝いて見えたことでしょう。
想像を膨らませて眺めると、とても歴史ロマンを感じられる風景です。
もし時間があったら、ぜひ安土城跡へも寄ってみてください。
途中の見晴らし台、ポケットパークのベンチで小休憩しました。
ここから見渡せる西方面は、どこまでも広がる田畑がのどか!そして八幡山などの連なりが雄大です。
西の湖は湖でありつつ、水路が絡み合っているため変化があって飽きません。
途中でいくつか渡る橋の上からだと視点が高くなり、
ちょっとした展望台のように一面を見渡せます。
走ってわかった西の湖サイクリングの良さ
サイクリングロードを実際に走ってみて、その素晴らしさを実感しました。
まず、平坦な道がずっと続いていて走りやすいこと。アップダウンはほぼありませんので、初心者でも安心です。
次に、湖畔とすごく近いことが挙げられます。琵琶湖水系の豊かな自然を至近距離で感じられるのです。
特筆すべきは水鳥の多さです。琵琶湖に続いてラムサール条約に登録された湿地だと聞いて納得。
バサバサ!と鳥の羽ばたく音、キーと鳴く声などが聞こえてきて、たくさんの生命の気配を感じながら走っている気分でした。(私が走ったのは1月でした。季節により見られる鳥の数や種類は変わります)
ぜひ寄ってほしい!西之湖園地
途中の「西之湖園地」は私のお気に入りの場所です。ぜひ立ち寄っていただきたく、詳しくご紹介いたします。
また園内にかかる木の橋は、ひときわ趣のある風景を創り出しています。
橋の向こう側の園地もまた散策できます。
橋は野鳥の撮影スポットらしく、この日もカメラマンがレンズを向けていました。
水際までたくさんの鳥が来ているので、私のような初心者もにわかカメラマンになってしまいます。
この橋では、たまに時代劇の撮影もされるそうです。
周囲に人工建造物が一切見えない、素晴らしいロケーション。
確かに、袴をはいた刀姿の侍もここなら全く違和感がなさそう。
まるで時代劇のセットを眺めているかのようです。
ラ コリーナ近江八幡
さて、途中の道からも見えてくる丸い屋根の建造物。それが滋賀No.1の集客力を誇る「ラコリーナ」です。
先ほどの園地から少し足を延ばすだけなので、ぜひ寄ってみてください。週末は渋滞しがちなラコリーナ周辺ですが、自転車なら混雑を避けて行くことができますよ。
サイクリングロードからの行き方をご説明しましょう。
先ほどの西之湖園地を過ぎた辺りで、車も通る道に合流します。(右側に造園屋さんがあります)この二手に分かれる道を左(西方面)へ。進行方向に黄色い大きな建物が見える道です。
このよし笛橋につながります。
右手に見える黄色い建物はヴォーリズ記念病院です。この先で県道にぶつかりますので、それを左折してください。
映画の舞台となったヴォーリズ記念病院
「近江ミッション 願いと祈りと喜びと」(2024)
こちらはホスピス病棟をテーマにしたドキュメンタリー映画の舞台となりました。
私も観ましたが、生と死を見つめる深いテーマに近江八幡の美しい四季の映像が織り込まれており、近江八幡の良さを改めて感じました。
機会があれば、ぜひ見ていただきたい映画です。
県道を左折するとまもなく、ラコリーナの入り口です。
計ってみたら、先ほどのサイクリングロードの分岐点からこちらの自転車パーキングまで、
電動自転車で6分ほどで着きました!
ここが撮影スポットで有名なところですね。建築の素晴らしさは言うまでもなく、見どころの多い場所です。
散策したりカフェしたり、お土産を買ったり…。トイレ休憩もこちらでさせていただきましょう。
歴史的洋館、ヴォーリズ建築にも寄り道してみよう
ラコリーナのすぐそばに、ヴォーリズ建築があります。時間があれば、そちらへもぜひ寄ってみてください。(事前予約していない場合は、外観のみの見学となります)
行き方をご説明しましょう。
ラコリーナ前の県道からサイクリングロードに戻る途中、一つ目の信号の角に小さく看板が出ています。そこを左(山側)に入って約5分です。
ヴォーリズ病院関連施設の敷地の奥に3つのヴォーリズ建築があり、外観だけなら自由に見せていただけます。
すてきな外観を見せて頂くと、内部の見学もしたくなること間違いなしです。
内部見学は前日までの電話予約制となっており、ガイド付きで3館を案内していただけます。(ガイド料1人1000円)夏期、冬期、また日により休館がありますので、都度HPをご確認ください。
ヴォーリズさんって誰?
「ヴォーリズさんって誰?」「ヴォーリズ建築って何?」と思われた方もいるかもしれません。実は、私も滋賀へ来るまで知りませんでした。
建築家であり実業家であり教育者でもあったウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏は、1905年にアメリカからここ近江八幡市へやってきて生涯をこの地で過ごされました。
彼が設計した優れた建築物は全国に点在しており、知ると「あの建物もヴォーリズ建築だったんだ」というものもあるかもしれません。特に、ここ近江八幡には20軒以上の建築物が残っています。
2025年はヴォーリズ氏が来日して120年という記念すべき年であり、市内ではヴォーリズ関連の様々なイベントが催される予定です。ぜひ近江八幡でヴォーリズ建築の美しさに触れ、ヴォーリズ氏の息吹に触れてみてください。
(画像は、ヴォーリズ氏の旧宅であるヴォーリズ記念館です)

後半戦へ続く道
さて、その後はまた西の湖沿いに戻ってサイクリング後半戦です。
ただ、実は見どころは前半にかたまっています。また後半は一部車道を走ることになりますので、それがご心配な方はここでUターンしてもよいかもしれません。
もしそのまま西の湖一周をするならば、白王橋を渡って、そこから西の湖を大きく折り返していくことになります。
橋を渡ると県道(526号)を走りますので、車に気をつけて走ってください。
この直線がなかなか長い…。後半の踏ん張りどころです。
少しづつ安土山が近づいてくると、ゴールに近づくようで励みになります。
大中交差点を右折すると県道511号線、いよいよ終盤。
サイクリングMAPではこのまま県道沿いに直進なのですが、1つめの脇道である「安土墓地公園」の看板で右折すると、湖沿いを気持ちよく走れるので、そちらもおすすめです。
前方になにかいる…と思ったら、サギが佇んでいました。
少しづつ近づくと、やっと大きな翼を広げて羽ばたいていきました。
鳥との距離が近くて、自然界へ足を踏み入れたかのようでした。
「西の湖すてーしょん」で休憩、そしてゴールへ
さて、先ほどの県道に合流すると現れるのが「西の湖すてーしょん」です。道中にはお店がなかったので、寄りたくなりますね。
中に入っている西の湖カフェは、営業時間が11:00~14:30 と短めですのでご注意ください。水曜定休です。
素朴な雰囲気のカフェでは、軽食やドリンクが頂けます。
西の湖を一望できる窓際席がおすすめ。
ここまで来ると、ほぼ一周したことになりますので
今まで走ってきた西の湖を眺めると感慨深いかも…。
私が頂いたカレーは550円という安さで、ほっとできるお味でした。
他のメニューも高くても600円と、お財布にとてもやさしいです。
近くには船着き場があり、暮れなずむ夕日を眺めるのに最適。夕日が映える撮影スポットです。
ゴールの安土駅へは、ここから約10分です。最後にレンタサイクルを返却しておしまいです!
ゴールしたときには西の湖一周を走り切った達成感を味わうことができました。
小腹がすいたらおすすめ!たこ焼き屋さん
小腹がすいたら、ぜひ寄ってみてほしいお店を紹介します。
安土駅から徒歩8分の住宅街にあるたこ焼き屋「あたらしや」さん。
焼きたてにこだわっており、注文を受けてから焼かれるので、来店の15分前に電話予約するのもおすすめです。
テイクアウトか、もしくは併設のテントでも食べられます。
とろ~りと美味しい大ぶりのたこ焼き、そしてとても温かみのあるスタッフさんでした。
夏はかき氷もあるそうですよ!
営業11~18時 火曜、第二日曜休み

まとめ
今回は、サイクリングビギナーでも気軽にまわれ、琵琶湖水系の豊かな自然を満喫できる西の湖一周サイクリングコースをご紹介しました。大自然との一体感を味わいながら、スイーツ、ヴォーリズ建築の歴史的洋館、お得カフェなど欲張りにぜひ満喫してください。
- 安土観光レンタサイクル ふかお
- 安土観光レンタサイクル(たかしま)
- 安土城跡
- 安土駅
- 西之湖園地
- ラ コリーナ近江八幡
- ヴォーリズ記念病院
- ツッカーハウス
- 西の湖すてーしょん
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ライタープロフィール
- りん
- 東京から近江八幡に越してきました。「住んでよかったまち、訪ねてみてよかったまち、もう一度訪ねてみたいまち近江八幡」を日々実感しています。近江八幡の魅力をどんどん深堀りしていきたいです。