近江八幡市外

近江八幡市に隣接する市町でも、祭礼に伴う松明行事が継承されています。ただ、その分布と近江八幡の火祭りについての関連性などについては詳しくわかっていません。
ここでは、旧八日市市(現東近江市)地域にあった羽田郷と同地域の糠塚と上平木、蒲生郡竜王町弓削の松明について紹介します。


東近江市 羽田

松明の特徴

宵宮の日、羽田神社の鳥居前に集合した北方、西方、南方、平石の各集落は、途中、中羽田と合流して八幡神社に渡り、八幡神社での神事の後、羽田神社にもどる。羽田神社では、馬場の「タイマツ」(11基、周囲8~10m)と本殿前の二つの「ワカイシタイマツ」(周囲約15m)を燃やす。翌日の本祭は、各集落参集し、拝殿での神事の後フキハヤシを奉納し、中羽田の桜の馬場に渡り、そこでもフキハヤシを奉納する。下羽田町剣神社では、18時半に公民館から、ワカイシュ(若衆)と氏子総代などの役員が剣神社に向かい、宵宮神事の後境内の「タイマツ」に火が点けられる。

基本情報

神社名 羽田神社(上羽田町)、八幡神社(中羽田町)、剣神社(下羽田町)
松明の名称・種類・本数 ワカイシタイマツ2基/タイマツ11基
祭礼名 羽田神社・八幡神社合同例祭、剣神社春季例祭
場所(住所) 東近江市上羽田町(西方、北方、南方)、中羽田町、下羽田町
日時 4月第1土・日曜日
地域の概要 旧八日市市のうち最も西に位置する平田地区に含まれ、近江八幡市と接する。上羽田町の羽田神社と中羽田町の八幡神社の合同祭礼、下羽田町の春季大祭の行事として松明奉納がある。かつては広範囲の周辺村も加わる行事だったが、明治以降羽田郷のみで行われるようになった。4地区から15基を奉納し、途中花火も上げられる。横笛2人・鼓・太鼓の男子が4人1組で囃子を囃す「フキハヤシ」の行事もある。

 


東近江市 糠塚町

松明の特徴

大松明はかつては宵宮と卯の刻祭りの2基あったが、近年(平成26年~)は宵宮の1基のみとなってしまった。

基本情報

神社名 巽神社
松明の名称・種類・本数 松明1基(宵宮のみ)/中松明2基/小松明15本程度
祭礼名 春大祭
場所(住所) 東近江市糠塚町68番
日時 3月27・28日に近い土・日曜日
地域の概要 東西に長い東近江市域のほぼ中央に位置し、北は近江八幡市安土町内野と接する。古くから蒲生野と呼ばれる一帯で、集落の西隣の野口町との境には万葉の森船岡山公園があり、山頂には蒲生野を顕彰した万葉歌碑(東近江市史跡)がある。また、地域は農村地帯で、集落営農が盛んな地域で、地域内にある万葉の郷ぬかづかでは減農薬作物の販売や加工品など人気を集めている。

 


東近江市 上平木町

松明の特徴

3日間にわたって行われる例祭で、松明は中日の宵宮で点火される。3日目の朝、長老と区長宅へ二面の鬼面を捧持して訪問する。なお、それぞれの日の終わりに拝殿前に一列に並び奉納する門踊りがある。抜刀し「ぺぺー、さらばー」と口上する。若中老九人が宵宮、本祭り、卯の刻渡りの3回舞われる。

基本情報

神社名 日吉神社
松明の名称・種類・本数 大松明/なまず松明3基/子烏帽子松明(子どもが生まれた年、5年に1回くらい)
祭礼名 日吉神社例祭
場所(住所) 東近江市上平木町
日時 4月23日に近い金・土・日曜日の3日間開催され、松明は中日の夜8時ごろ点火される。
地域の概要 近江八幡市との境界でもある瓶割山を町域にもつ。日吉神社はその麓にあり、頂上にはかつて一帯の要衝であった長光寺城があった。氏子の祭祀組織の制度が厳格に守られていることで知られる。春の大祭では、登録された真剣を抜刀しての舞(中老門踊り)などの行事がある。

 


竜王町 弓削

松明の特徴

円松明は近江八幡市内各地で作られる「笠松明」と同様の形態で、菜種ガラを13段の仕上げ。三角松明はこの神社でしかみられない特徴的な形態で、竹で骨組みを組んだ上に菜種ガラで化粧を施し、上部に御幣を飾り付ける。宵宮では、打ち上げ花火が行われたのちに松明を奉火される。松明は2つとも高さ10m程。

基本情報

神社名 小日吉神社
松明の名称・種類・本数 円松明1基/三角松明1基
祭礼名 小日吉神社大祭
場所(住所) 蒲生郡竜王町弓削857
日時 5月1・2日
地域の概要 近江八幡市を隔てる日野川が近くを流れる。小日吉神社は日吉大社(大津市坂本)の社領地であり、その分霊である大山咋之命を祀ったと伝わる。松明奉火前に手投げ花火や仕掛け、打ち上げ花火などが上げられる。

 


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