馬淵学区

日野川、雪野山を有する市南東部に位置。古くから開けた地で、古墳が点在し、中山道が横断するなど歴史資源を豊富に抱く。
学区内のいくつかの集落で構成される馬淵郷は、近江を代表する宮座とされており、現在の松明行事にも色濃く反映されている。


馬淵・千僧供町・岩倉(馬見岡神社)

松明の特徴

毎年5月1日の午前に、馬見岡神社の境内をやや下った所定の場所で作られる。これは、馬淵と千僧供と岩倉と交代で作られている。

基本情報

神社名 馬見岡神社
松明の名称・種類・本数 据松明1基
祭礼名 馬淵郷の祭り
場所(住所) 近江八幡市馬淵町476
日時 5月1・2日
地域の概要 馬見岡神社は瓶割山南端の山麓にある。近世の馬淵村・千僧供村・岩倉村(現在の馬淵町と千僧供町)の郷社で、式内の論社。3集落はそれぞれ氏神をもち、総鎮守として馬見岡神社が位置づけられ郷祭りが行われる。馬淵4分、千僧供4分、岩倉2分というかつての用水配分比が、祭礼の役割分担率などと見事に対応している。

 


千僧供町(椿神社)

松明の特徴

据松明

中央に3本の杭を立て椿や竹など中心を飾る樹木の芯とする。その周りを丸く竹で囲むが、これは日鉾を割りさいた材を用いる。この円の中に常緑の枝葉を敷き、その上に 菜種ガラを敷きつめ、ヨシで全体を覆う。その上を12本の荒縄で化粧しながら縛ってゆき、その縄を3mほど先に打ち立てて杭に結びつける。12の結び目ができると、芯藁を左巻き3つ綯いにした太い注連飾りを芯の根元に巻き付け、そこから杭まで延ばし、「華鬘結び」で飾る。松明の円の縁には檜葉が飾りとして敷かれる。

基本情報

神社名 椿神社
松明の名称・種類・本数 笠松明1基/据松明1基
祭礼名 椿神社祭礼(山王祭)
場所(住所) 近江八幡市千僧供町213
日時 5月3・4日
地域の概要 国道8号が中央を横断し、北西端を新幹線がかすめる。地名は、延暦寺の荘園であったことにちなむ。椿神社は千僧供の氏神で、集落のはずれにある。社守は、千僧供のなかの田楽村が担当している。

 


馬淵町(八幡神社)

松明の特徴

椿神社をでた馬淵の日鉾は、八幡神社に戻ってきて解体され拝殿前で作られる、据松明の材料となる。

基本情報

神社名 八幡社
松明の名称・種類・本数 据松明1基
祭礼名 八幡社祭礼
場所(住所) 近江八幡市馬淵町2447
日時 5月2・3日
地域の概要 町内の中央付近、中山道に面して位置し、木製の鳥居が目を引く。馬淵村の氏神であり、馬淵内の組織である本村のオトナ(御長老・長老講のことで集落内の年齢の高い10人)が社守を務めている。

 


馬淵町岩倉(稲荷神社)

松明の特徴

5mほどの笹を中心に立て、ヨシで編んだ袴を周囲に巻き付け、注連縄で固定する。地面には、直径2mの竹の輪を打ちつけ、その中にタネギ(菜種ガラ)を敷き詰めて埋める。最後に笹の先端に御幣を取り付けて完成する。また、点火用の松明は、タネギ(菜種ガラ)を芯にして、ヨシを簾状に編んだものを周囲に巻き付け飾りつけたもので、笹や杉の葉を飾りつけ、松明の先端に御幣をさして完成する。

基本情報

神社名 稲荷神社
松明の名称・種類・本数 据松明1基・点火用松明
祭礼名 稲荷祭
場所(住所) 近江八幡市馬淵町462
日時 3月第2日曜日
地域の概要 馬淵町の北部で、氏神の諏訪神社と稲荷社の2社がある。馬見岡神社の郷祭礼にも参加するが、本祭礼は稲荷社の初午の祭礼として行われる。諏訪神社の祭礼は馬見岡神社の郷祭礼の一連の行事のなかで行われる。

 


馬淵町新在家(今宮神社)

松明の特徴

据松明

高さ3~4mの笹を数十本立てて固定し、その周囲にヨシを簾状に編んだものを巻き付け、注連縄を3本巻き付けて飾り付けとする。また、直径3m程度の竹の輪を周囲に打ち込み、その中をヨシで埋める。最後に巻き付けたヨシに御幣をさして飾り付けをする。また、ヨシの束に注連縄を巻き付け、御幣をさした点火用の小さな松明も作られる。

基本情報

神社名 今宮神社
松明の名称・種類・本数 据松明1基/点火用松明
祭礼名 今宮神社例祭
場所(住所) 近江八幡市馬淵町29
日時 4月 第2 土・日曜日
地域の概要 国道8号を挟んで東西に長い馬淵町のなかでも、東端に位置する。岩倉と馬淵の枝郷として馬見岡神社の郷祭礼に参加し、また馬淵の八幡神社の神事にも参加している。今宮神社は新在家のみを氏子とし、祭礼を行う。

 


長福寺町(日吉神社)

松明の特徴

樫の木

高さ5.5m位の芯柱を立て、下部で6本の杭を打ち込み直径1.5mで高さ1m位の胴台を作り、更にその上に直径2m位の輪台を作ります。樫の枝葉で小束を60~70束を順次「もつそう型」で芯柱に括り付け積み上げ、最後に先端に藁の小束を末広がりにして、その上に御幣を付けて仕上りです。

大松明

下部の胴台は葮の長さ3mで上から1mの所で折り曲げ、胴台に巻き太縄を二重にして、1年12カ月で12段(閏年は13段)を上から組下ります。その上に太さ約8cm・長さ10mの「三つ縫い縄」で二重巻にして男結びで括り、胴台から80cm前に出た所で手竹笹を立て、化粧結び(男結び)で仕上げる。

基本情報

神社名 日吉神社
松明の名称・種類・本数 樫の木/大松明
祭礼名 日吉神社祭礼
場所(住所) 近江八幡市長福寺町
日時 4月第2土曜日
地域の概要 市南東部にある標高234mの瓶割山を抱く農業地域であり、大手企業を誘致した工場団地もある。日吉神社は瓶割山の中腹にあり、ここから瓶割城跡への遊歩道整備などのまちづくりが行われている。

 


倉橋部町(安吉神社)

松明の特徴

大松明

高さ6mほどで、芯棒に藁を巻き、その上にタネギ(菜種ガラ)を9段巻く。その上部には簾状のヨシを巻き付けて上部のヨシを折り曲げ、青竹を割って作った輪は放射線状に固定する。竹の輪の周囲には杉の葉をさしたものと、笹に御幣をつけたものを取り付けて立ち上げる。

据松明

高さ3m程度の笹の束を中央に立てる。周囲には直径約6m、高さ40cmほどの割竹で作った垣を打ち込んで、細縄と杉の葉で飾りつける。垣の内側の周囲には藁を取り巻き、内部を笹で埋めて、上部に笹を覆い隠すようにタネギを敷きつめる。中心に立てた笹にヨシのタレ(ヨシの穂先)を巻きつけ、下部を折り曲げて放射線状に広げ、細縄を張りめぐらせて固定する。最後に笹の先に御幣、根元に注連縄を取り付ける。

基本情報

神社名 安吉神社
松明の名称・種類・本数 大松明1基/点火用松明/据松明1基
祭礼名 安吉神社例祭
場所(住所) 近江八幡市倉橋部町46
日時 4月7・8日
地域の概要 市の南東端で、日野川北岸の安吉山山麓斜面に位置する。安吉神社は山腹にある。この氏子は安吉郷とよばれ、倉橋部・上畑・東川・浄土寺のほか竜王町西川・弓削・信濃の村々が属していたとされる。

 


新巻町(日吉神社)

松明の特徴

大松明

神主、副神主によって、鳥居前、左右2ヶ所に作られる。杭を打って直径180cmの円を作り、幅120cmのコモを巻き付け上端に竹のタガを付けて押さえる。中に境内の杉葉など燃えやすいものを詰め中央に笹を立て、竹に向かって藁を置き、三角錐状にする。ここのみに見られる形である。

基本情報

神社名 日吉神社
松明の名称・種類・本数 大松明2基
祭礼名 日吉神社祭礼
場所(住所) 近江八幡市新巻町74
日時 4月25・26日
地域の概要 市の南東端地域。雪野山と日野川北岸に挟まれた農業地域で、竜王町と接する。集落南北2ヶ所に古墳群がある。かつての祭礼では大太鼓の渡御があったが、現在は展示されるのみとなっている。

 

浄土寺町(天神社)

松明の特徴

大松明

高さ7.5mほどで、芯棒に菜種ガラを袴にして5段巻き付ける。芯棒の上部にはヨシの袴を巻き付け、先端を折り曲げて、直径2mの竹の輪に放射線状に固定する。竹の輪には杉の葉をさして飾りつける。またヨシの袴には、7段の注連縄を巻き付け松明の先端に御幣を取り付けて立ち上げる。

小松明

菜種ガラを5束程度縦に並べ、穂の部分を切った2.5mほどのヨシの束で挟んで、藁で縛ったものである。

基本情報

神社名 天神社
松明の名称・種類・本数 大松明1基/小松明20基
祭礼名 天神社祭礼
場所(住所) 近江八幡市浄土寺町51-1
日時 4月28・29日
地域の概要 市の南東端地域。浄土寺山と日野川北岸の間の農業地域で、集落南部に円墳群がある。蒲生史によると、天神社は浄土寺のほか、竜王町の林、庄の3村の産土神であったが合祀や分祀を経て現在のようになった。

 

東川町(宇賀神社)

松明の特徴

宇賀神社の鳥居を入って右に柱松明2基を、鳥居の左に据松明が作られ、柱松明の根元には沢山の菜種ガラが積み上げられる。

基本情報

神社名 宇賀神社
松明の名称・種類・本数 柱松明2基/据松明1基
祭礼名 宇賀神社祭礼
場所(住所) 近江八幡市東川町758
日時 4月24・25日(宵宮は直前の土曜日)
地域の概要 日野川の北端で、市の南端に位置し、国道8号が通る。集落の氏神・宇賀神社の祭礼では、境内で松明と花火が競演のように繰り広げられるのが、見せ場となっている。

 

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